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古文書目録名一覧

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佐久郡上平尾村森泉家文書

資料No(記号) 佐久〔2〕/2-25
巻(資料点数)18
説明(解題) 本目録に収録した文書は、2016(平成28)年度に佐久市森泉次夫氏より寄贈を受けた史料群3916点である。上平尾村の支配関係ははじめ小諸藩領だったが、松平忠長領、小諸藩領、甲府領、天領を経て1701(元禄14)年から岩村田藩領となっている。元禄郷帳では614石の村高である。1889(明治22)年に合併し平根村の一部となった。
 森泉氏は上野国箕輪郷の長野氏の家臣であったが、戦国時代には信濃国佐久郡の大井氏の家臣平尾氏に属した地侍とする家伝を有している。平尾平三は依田信蕃の家臣となり武田氏に属した。「依田記」によれば平尾氏は武田家滅亡後徳川氏に属したというので森泉氏もこれに従ったと思われる。
 平尾平三(守芳)は平尾郷(近世の上平尾・下平尾村)に天正年間に平尾用水を引いたことで知られる。森泉氏は佐久市久能字宮平の古城がその居城とされる。近世になって帰農し上平尾村の名主となった。森泉氏の先祖書では1652(承応元)年に、名主森泉次郎右衛門が平尾用水の堰では満足な水が得られないとして小諸藩安原代官箕輪六郎右衛門に湯川からの隧道開削を願い出て、用水の改修が認可されている
 森泉家文書は『佐久市志』刊行のために整理され、現在まで良好な状態で保存されてきている。整理は助郷・免状・用水普請・村政・土地売買・交通・支配貢租・林野・産業・社会階層・社寺信仰・維新関係・救恤・土木・無尽・金銭貸借・財政・家事・貯穀積穀・文化社寺雑・経済・裁許・証文・教育・川除図・山畑図・用水図・地籍図・布達・軍事・・税関係・書簡・絵図・割付・家史に分類されており本目録もそれを活かしている。また『佐久市志』で使用した史料は別置されまとめられていたため、目録では市志と分類されている。近世文書の最大の特徴は平尾用水関係の普請書付・出入訴状など、平尾用水の用水管理や訴訟に関する史料はよくまとまって残されている。佐久・小県地域は新田開発の・用水掘削が盛んである。当該地域の歴史を語る上では、今後指標となる重要な文書群であるといえる。中世の土豪の伝承を有した点、新田開発や用水掘削、上野国移住伝承など佐久郡市川五郎兵衛との類似点も指摘できるだろう。           
 上平尾村の名主関係史料では、年貢割付、宗門人別帳、助郷、伝馬継立、頼母子、名主日記、金銭貸借関係証文など役文書のレギュラーなものは含まれている。そのほか代々名主日記を残している。
 近代では戸長役場関係文書など村政関係書類がまとまっている。私文書では平尾八幡祭礼関係、北佐久郡会議員関係、家業となる養蚕、書翰、書籍類も含まれている。 
 近世から明治にかけての名主、地方名望家の豊富な内容を有する文書群である。名主家に関わる文書のまとまりが崩れていない状態での良質な史料群である。「戸長土屋六朗殿ノ口述証言」(2-25-1822)によれば「当村古文書貞享御検地水帳其外古証文一切貴家方へ永年保管方依托ス」とあり、1885(明治18)年4月に戸長役場筆生を勤める森泉宰二郎宅へ保管されたことが知られる。消毒費なども支弁されており、地域アーカイブズの先駆といえる事例である。

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