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伊那郡石曽根村飯島家資料

資料No(記号) 伊那〔4〕/4-37
説明(解題) 本目録は2017(平成29)年、上伊那郡飯島町飯島紘氏より寄贈された資料群6,435点を掲載する。 
 飯島氏は満快流源氏片切氏の一族で、飯島郷を名字の地とした豪族である。鎌倉時代には承久の乱によりその一族が出雲国三沢郷へ西遷していった典型的な鎌倉御家人である。本宗家は信濃に残り、小笠原氏に与して大塔合戦・結城合戦にも参加している。戦国時代は武田信玄の配下となった。天正10(1582)年の高遠城の攻防で為次は戦死し、その子辰千代は井伊直政の配下となり天正13年8月の第一次上田合戦で徳川方として参加している。その後、為延は大坂夏の陣には小笠原秀政の傘下として参加している。江戸時代は井伊家家臣として名前が見えるが、20代為次の時代に下野し農民の身分となった。二二代為忠は飯島代官所支配石曽根村名主役を勤めた。
 明治維新後は伊那県御掛屋を許されたことから初期伊那県政の金融関係文書が残されている。中世に関わる原本はないが、天正13年の徳川家康による伊那衆への軍令廻文の写し、天正18(1590)年小田原攻めに際する豊臣秀吉の禁制写、近世の礼法書など興味深い資料が豊富に残されている。小笠原流礼法書、伊勢物語などの古写本や歌学書は為仙により収集されたものが多く、文明15(1483)年の室町幕府奉公衆と奉行人による対立を記した訴陳状案(27-667)は内容的に貴重なものである。
 所蔵資料のうち関係する飯島氏一族の系譜は以下の通りである。
・戦国時代
 15代 飯島民部少輔為次 武田勝頼に属す。天正10年高遠城で戦死。
 16代 飯島辰千代為仲(上田城攻めで戦死)  
 徳川家康より本領安堵。家康からの軍令状の写し(26-2・3)がある。
・江戸時代
 17代 弥兵衛為延 辰千代の次男。小笠原秀政に属し、大坂夏の陣に出陣。
 18代傳兵衛為忠 松本藩小笠原氏に仕官するも元和5(1619)年没。
 19代 与右衛門尉為房(梶為房) 父為忠が早世したため母方の兄梶家の姓を名乗る。父の旧主小笠原右近に近侍し小笠原流作法に通じたことから、近江国彦根藩に召し抱えられ井伊直滋守役となる。晩年飯島郷へ戻り飯島姓に復した。「為房遺言状」(28-2)がある。
 20代 傳之丞為次 帰農する。 
 21代 与蔵為幸 飯島氏系図を書写する。 
 22代 与右衛門為忠 
 23代 弥兵衛為親(為仙)宝暦7(1757)年生まれ。国学者・歌人桃沢夢宅の高弟で和歌をよくする。山吹領主家老片桐為清の娘梅を娶る。飯島氏の歴史を記した「飯島家訓」・「吹上之記」は国学の影響を受け自家の由緒を記す。自筆和歌集「款冬園和歌集」(28-4)、自筆日記「七十之記」(28-1)がある。 
 24代 与右衛門為秀 文政5~安政2年寺子屋師匠 和歌漢詩を教授する。 
・明治時代以降
 25代 弥一郎為徳 伊那県時代の御用掛(御県屋)・南信商社総代・飯島村戸長
 26代 秀次郎為開 戸長役場筆生・飯島村会議員
 27代 操(秀次郎の養子千寿の養子)飯島村収入役・大成社総代・上伊那銀行飯島支店長となる。 
 なお本目録の家番号4-37の次に付された分類番号と対応する内容項目は以下の通りである。分類項目は飯島紘氏による整理番号を活かしている。
1 飯嶋丹下あての書状類 /2 飯嶋与右衛門あての書状類 /3・4 飯嶋弥兵衛(為仙)あての書状類 /5 お京あての書状類/6 飯島秀次郎・於賢あての書状類/
7 飯島弥一郎あての書状類/8 親族関係の書状類/9 飯嶋与蔵あての書状類/10 小幡大和介弥弘他の書状類/11 井伊真澄他の書状類/12 飯島弥兵衛あての書状類/13 飯島弥一郎あての書簡類および俳句関係書状類/14 飯島操あての書簡類/15 近世地方文書(支配)/16 近世地方文書(村)/17 近世地方文書(租税)
/18 近世地方文書(戸口)/19 近世地方文書(土地)/20  近代文書(支配)/21  近代文書(村)/22 近代文書(土木)/23近代文書(治安・租税・習俗等)/24 近代文書(産業等)/25 近代文書(雑)/26 家伝資料/27 文芸(短歌類)/28 文芸(近世写本類)/29 近代絵葉書 
 このうち絵葉書は2,000点を超える膨大なもので、コレクションとしても興味深い。また、武家の軍役に関わる什物類や由緒に関わる品も収蔵されている。古銭を発掘したという記録とともに四耳壺も伝来する。後者は伝世の由緒がうかがえる中世の陶器であり、若干の欠損は見られるが完型品としても貴重である。なおこうした什器類は損傷の恐れもあり、閲覧は事前申請によることを付記する。
 このほか、寄贈者である紘氏が長年にわたり家蔵史料の解読をすすめた文書読本のコピー、および飯島氏・飯島町の歴史を調査し著した書籍・資料集もここに収蔵したので、参照・活用を願いたい。

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