御入峯日記
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御入峯供奉日記 44 日本第壱霊現験根本熊野権現と有 七日、快晴、辰ノ刻御社参、 御本社・二ノ宮・三ノ宮・八社宮・満山社 行者堂・如法堂場・大黒堂・ 護摩堂・観音堂・瀧本愛染堂・ 不動堂・拝殿・千手堂・瀧江御成、 瀧本ニ不動尊、愛染堂御拝、 千手堂御拝、千手堂前に 太上天王皇恒仁初度弘安四年二月 晦日与板ニ印有、御昼後滝詣 弐ノ瀧山上堂護摩檀御拝、花*山院 皇居跡・布引ノ瀧・三瀧・二ノ瀧ニ而 御休、坊中ゟ赤飯出ル、一*ノ瀧 ニ而御拝、還御、花山皇居跡石櫃 有、内に花山法皇御茶椀・御壺・ *花山かざん院皇居跡:那智山にある花山法皇の参籠跡。花山天皇は平安中期の天皇。冷泉天皇の第一皇子。中宮の死を悲しみ、藤原兼家・道兼に欺かれて出家した。この参籠旧跡にあった石櫃および石櫃に納められていた茶碗・茶壺などは那智大社に保管されている。 *一ノ瀧:那智大社に祀られている那智の滝は一の瀧といい、日本三大瀑布の一。那智山には様々な名前の付いた四十八滝があり、ほかに布引の瀧・三の瀧・二の瀧などがある。
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