お宝紹介 その2
お宝紹介、その第2弾として、今回は塩尻市吉田川西遺跡出土の緑釉陶器を紹介しましょう。平安時代のお墓の穴から、椀が2個、皿が4枚、箸置きに使われたと考えられる耳皿が1枚が見つかりました。これだけの緑釉陶器が出土したお墓は、平安京でもありません。平安時代には、儀式で使用するお椀は身分によって材質が決められていました。天皇が金の器、上級貴族(参議以上)が朱漆椀、中級貴族(五位以上)が緑釉陶器を用いると決まっており、地方で緑釉陶器と一緒に葬られた人物は身分の高い人であったと考えられます。
冬季展で、これら深い緑色の器をご覧いただき、いにしえの高貴な方の思いに触れてみませんか。(原)