河童だより12 河童ほど有名になれなかった「山童」

 河(川)に住む子どものような生き物なので「河童」という呼び名がついたとも考えられていますが、山に暮らす子どものような生き物である「山童(やまわろ)」が「和漢三才図会」(1712年)に紹介されています。山童は、九州の山奥にいて、姿は10歳くらいの子どものようで、全身に柿褐色の細い毛が生えています。足が長く、腹が短い、人の言葉を話す、食べ物を与えれば喜んで食べ、手伝いをし、力は強いなどと紹介されています。子どものような大きさで、全身が毛に覆われている点などは「和漢三才図会」の河童(川太郎)の絵に共通する部分がたくさんあります。しかし、残念ながら山童は河童ほど有名にはなれませんでした。山よりも水との結びつきの方が強かったからなのかも知れません。

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