古文書公開日記28-県知事感謝状贈呈-

 昨年寄贈された佐久郡大井法華堂文書は、中世の文書だけでも40点を数えます。全体で中・近世文書約850点もの史料で、これは佐久市指定文化財ともなっています。県内でも希有な量を誇るこの文書を寄贈していただいた大井道也様に、長野県知事から感謝状を贈呈する式典が、去る2月26日の佳き日に、大井様のご自宅で挙行されました。当日は、佐久市長柳田清二様、佐久市文化財保護審議委員会会長 佐々木久雄様のご臨席をいただきました。(なお当館笹本館長が知事感謝状を代読いたしました。)
 大井様からは、この史料群が先祖代々から大切に伝えられてきたこと、とくに近代の修験廃止令のあとも、これらの文書を散逸させずに一族で努力してきたこと、大井様のご尊父大井章様がこれらを研究し『信濃の修験 大井法華堂』を刊行したことなどご紹介いただきました。大井様ご自身も、大切に保存してきたことなどをお話しいただきました。700年もの歴史を継承してきた大井家の皆様の思いを改めて感じました。
 これらは地域の宝であり県民の財産でもあります。修験道の家の文書群が鎌倉時代から近代まで連綿と残っている例は、県内はもとより全国レベルでも珍しいです。寄贈された現在は、未整理である近代文書を目下整理しているところです。当館としても、全点を整理・目録化して、はやく公開できるようにと、身が引き締まる思いです。

歴史館ブログ

ページ先頭へ戻る