向山寛夫氏寄贈文書

詳細情報
資料No 全県〔0〕/0-3
地域 全県
古文書

 1997(平成9)年および2000年に東京都向山(むこうやま)寛夫氏より寄贈された史料群である。向山氏は1914(大正3)年に栃木県で生まれ、台北一中・栃木中学・新潟高校・東京帝国大学法学部政治学科卒業後、銀行勤務等を経て昭和27年愛知大学助教授となった。その後、國學院大學法学部教授となり九州大学より法学博士号を授与された。専門は労働法で、中国法学者としても著名である。また日本統治下の台湾史研究でも多くの著作があった。
 本史料は当館開館にあたり、氏の収集された戦前裁判関係史料が寄贈されたもの(No.1~4)と、2000年に追加寄贈されたもの(No.5~)に大別される。前者は二・四事件(1933〈昭和8〉年国内世論の統一を目的として、長野県内で反政府的な意見を持つ教員などが多数弾圧された事件)に関わる調書資料である。後者は昭和前期に判事をしていた人物から譲り受けたもののうち長野県関係分を当館へ寄贈したものである。二・四事件や治安維持法関係裁判記録である。思想事件の一端をうかがえる貴重な資料である。本史料はすでに『長野県史』近代資料編に掲載される内容であること、当時の刑事事件ではあるが政治思想事案であり、いわゆる犯罪ではないことは明白であることから、広く公開し活用を願うものである。

収蔵データ検索 資料検索

書籍・史資料

ページ先頭へ戻る