戦後ブラジル移民関係史料

詳細情報
資料No G-55
カテゴリー
資料内容 戦後長野県を中心としたブラジル移民関係の史料群(書籍・機関紙・新聞・書簡等)
解題

 戦後長野県を中心としたブラジル移民関係の史料群である。寄贈者の大矢庄吉氏(明治41(1908)年~平成17(2005)年、小県郡神科村(現上田市)出身)は、戦前渡台して台湾総督府にも勤め、戦時中は台北第一陸軍病院の衛生兵として従軍した。終戦後帰郷して長野県の職員(開拓事業担当)として県内各地の地方事務所に勤務した。業務内容は一貫してブラジル移民関係の仕事であった。県職退職後も嘱託職員として、県庁の信濃海外移住事務局長を務め、信濃海外協会機関誌『海の外』の編集にも従事した。そのような中で集積した資料やブラジル移民とやり取りした書簡等が大矢氏の下で保管され、平成16(2004)年10月に当館へ寄贈された。

ブラジル移民関係の書籍や『海の外』、日本人移民向けの現地新聞(『サンパウロ新聞』『日伯毎日新聞』)など刊行物のほか、資料綴りや名簿、写真、大矢氏あての書簡類など、退職後も続いたやり取りも含めて公私にわたるブラジル移民との歩みを写し出す史料群となっている。

 書簡類においては、年始の挨拶など端的な近況報告だけでなく、「緑の地獄」と呼ばれた現地での経済活動・生活の具体的な様子が記されるものもあり、戦後ブラジル移民の足跡をたどる上で貴重な史料群である。また、刊行物においても、満洲移民・ブラジル移民に戦前戦後関わった、日本力行会の永田稠から贈呈との旨が記された本や、「信濃海外協会」印や回覧印のあるものもあり、長野県の農地開拓政策の推移や、折々の日本力行会との関係がうかがえる史料といえる。

登録年度 2023
収蔵データ検索 資料検索

書籍・史資料

ページ先頭へ戻る