善光寺地震がわかる一級史料 冬季展「山国の水害」より
1847年5月8日(旧暦3月24日)、マグニチュード7.4と推定される善光寺地震が発生しました。善光寺では御開帳が開催されていたため多くの人的被害を出しました。この地震の被害状況、岩倉山の崩壊と犀川の塞き止め、復旧対策の様子などを詳細かつ客観的に記録したものが『むし倉日記』です。著者は松代藩家老河原(かわら)綱徳(つなのり)で、真田家の歴史書『真田家御事蹟稿(ごじせきこう)』の編者でもあります。河原綱徳が、月番家老で情報を把握できる立場であったこと、当時松代藩きっての能筆家であったことから、本書は善光寺地震を知ることができる一級の史料です。本書は、『むし倉日記』の原本であり、河原家から『信濃史料』の編纂に取り組まれた米山一政氏に寄贈され、その後米山一政氏から県立歴史館に寄贈されたものです。