古文書公開日記84 5歳の児玉勝子-20世紀婦人運動の「生き字引」-
日本の婦人参政権獲得運動(婦選運動)を牽引した一人に坂城町出身の児玉勝子さんがいます。来年は生誕120年、没後30年の節目に当たります。
児玉さんは1924(大正 13)年、別所温泉で開かれた信州婦人夏季大学における市川房枝の「婦人運動の将来について」と題する講演に感銘を受け、市川さんに私淑し、上京しました。以来、市川さんとともに女性の権利向上のために運動を続けました。児玉さんが平成8年(1996年)1月になくなると、児玉さんの日記類や書簡は県立歴史館へ一括寄贈されました。https://www.npmh.net/books/komonjo/2020/01/id-200.php
さて、最近、当館で購入した資料の中に、明治43年(1910年)撮影の児玉勝子さんの家族の写真が入っていました。
このとき勝子さんは数えで5歳。長兄主計、次兄毅とともに池(自宅でしょうか)で魚釣りをしているのどかな写真です。幼少期の勝子さんの写真は珍しいものです。このほか兄弟や親族の写真、勝子さんが上田高等女学校(現在の上田染谷丘高校)を卒業した際に旧友から贈られた数々の手札写真もあります。
「婦人運動の生き字引」と呼ばれた勝子さん。戦後80年の今だからこそ、もう一度注目したいものです。児玉家写真資料は現在整理してます。いずれ公開できる事を楽しみにしています。(村石正行)